かみ合わせを治療することで、「保存歯科治療=できるだけ抜歯しない・神経を抜かない・削らない歯科治療」の効果を高め、知覚過敏を治すほか、全身のさまざまな不調を改善しています。
患者さまの天然歯をできるだけ良い状態で長く保つために
かみ合わせが悪くなると、知覚過敏のほか、歯ぐき部分がくさび状に欠損したり、かぶせ物の下で残された歯にダメージを与えたり、あごの位置がズレることで顎関節症になったりします。どこかに無理な力がかかる状態では、「保存歯科治療=できるだけ抜歯しない・神経を抜かない・削らない歯科治療」はうまくいきません。天然歯をできるだけ長く、いい状態で残していくためには、かみ合わせ治療が不可欠なのです。
全身のバランスを整えます
かみ合わせは全身のバランスにも大きく影響を与えます。そこで、かみ合わせが悪いと肩こりや片頭痛など、身体全体に不調が現れます。うつ病と診断されて抗鬱剤を投与されていた患者さまが当院にいらして、かみ合わせを調整しただけで、うつ症状が殆ど治ってしまったケースもありました。原因がよくわからない不調がある場合には、かみ合わせの調整をご検討ください。
知覚過敏はかみ合わせ治療で改善します
かみ合わせが悪いと、冷たい水などが染みる知覚過敏が起きます。逆に言えば、知覚過敏を治すためには、かみ合わせの修正が不可欠です。当院で治療した知覚過敏の患者さまの9割近くが、かみ合わせが原因となっていました。残りは日々の歯みがきでは落とすことができない部分の汚れによるものがほとんどでした。かみ合わせを調整し、専門的な歯科器具で汚れを落とすことで知覚過敏はその日のうちに解消できます。かみ合わせは日々変化するものですので、しばらくすると知覚過敏の症状が再び現れることもありますが、定期的にかみ合わせを修正していくことで起こりにくくなっていきます。
かみ合わせについて、くわしく知りたい方へ
かみ合わせと全身バランス
私たち人間の身体は、重力に逆らって直立二足歩行をしています。このため、最上位にある頭部から、頚椎、胸椎、腰椎といった身体の中心にある脊柱に重心が乗って、バランスを取っています。このバランスに大きな役割を果たしているのがかみ合わせです。
全身の骨は関節によって連結され、筋肉によって支えられています。その制御は脳による判断と指令が神経に伝達されて行われています。そして、人間の姿勢は、下あごの位置をずらす事によってコントロールされています。運動や姿勢の変化に合わせ、かみ合う位置を微妙に変化させることで必要な姿勢を支えているのです。
上あごと下あごの歯列は、上下合わさった全体で「一つの特殊な関節」と呼ぶことができる、とても特殊な部位です。かみ合わせは、食物の入り口として、開口したり噛み砕くために上下に動いたりする役割の他に、約5キロもある頭部の重心を調節し、全身の姿勢をコントロールするという重要な役割を担っているのです。
ビルの柱が全て違う高さで、それぞれバラバラに傾いていたら、そのビルはさまざまな場所にひび割れなどを生じて、いつか倒れてしまいます。かみ合わせを整えるのは、こうした柱を垂直に、そして同じ高さに整えることと似ていると言えるでしょう。
かみ合わせが悪いことで起こる影響
たとえば、下あごがわずかに数ミリ左にズレたかみ合わせの場合、それによってあご全体が右に傾斜し、頭部の重心がほんの少し右にズレた状態になります。人間の身体はバランスが崩れるとそれを元に戻そうとするので、ズレた重心とは反対方向へと首が傾いていきます。人間は、重心が身体の中心にある事で直立しています。重心がズレるとそれを中心に持ってこようと、頚椎・肩・背骨・腰・足などが連鎖的に歪んでしまいます。こうした状態は身体に多大なストレスや悪影響を与えます。それを改善するために、ズレの原因であるかみ合わせを調整することで正しい状態に戻していくことが必要なのです。
脊柱側彎症
脊柱側彎症は、バランスのズレによって背骨が曲ってしまった状態のことです。脊柱側彎症の治療は、整形外科などで行う牽引療法が一般的ですが、脊柱側彎症はかみ合わせによって起こっているケースも少なくありません。
もしも脊柱側彎症の原因がかみ合わせのズレによるものであれば、牽引療法を行なって一時的に改善しても、再び曲がってきてしまいます。その歪みの原因が何なのかを正しく解明して、それに合った治療を受けなければ効果を得ることはできないのです。
かみ合わせのズレにより、下あごの位置が偏位し、頭部の重心が偏位していくことで脊柱側彎症が起こっている場合、正しいかみ合わせにすることで根本的な治療ができます。
かみ合わせの悪さからくるズレによって起こる症状
本来のバランスを崩した状態が続くと、身体には様々なトラブルが現れます。
口内の不具合
- 知覚過敏
- 歯肉炎・歯周病
- 虫歯の悪化
身体的不具合
- 首・肩・背中のコリや痛み
- 脊柱側彎症
- 片頭痛
- 腕の痛み・しびれ
- 内臓全般の不調
- 便秘
- 冷え性
- 猫背
- 腰痛
- 視力低下
- 睡眠時無呼吸症候群
- 女性の生理痛・生理不順・更年期障害の症状悪化 など
精神的不具合
- 集中力低下
- イライラしやすい
- うつ症状
- 無気力、今までできていたことが億劫になる
- 自分や他人に対して攻撃的になる
- 引きこもる など